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「新人ケアマネになったけど、何をどの順番で覚えればいいのか、全体像が見えない」
「教えてくれる先輩がいない。正直、放置されている」
この記事は、そんな新人ケアマネのための業務全体のWebマニュアルです。1年の流れとひと月の型をまず地図として示して、それぞれの場面の詳しいやり方は、僕が実務をそのまま書いた記事10本につないでいます。上から全部読む必要はありません。今の自分に必要なところだけ開いてください。
※この記事は長めです。探したい場面が決まっているときは、ページ内検索(Mac:command+F/Windows:Ctrl+F/スマホ:ブラウザのメニューから「ページ内検索」)に「入院」「契約」などの言葉を入れると、その場所にすぐ飛べます。
僕は主任ケアマネで、居宅・訪問介護併設・訪問看護併設の3つの職場を経験して、いまは独立3年目の居宅介護支援事業所で要介護35件前後(要支援も含めると約60人)を担当しています。新人を育てる研修をやってきた立場ではなく、隣の席で新人ケアマネを見て、相談されてきた側です。その目線で書きます。
なお、手順よりも先に「不安で頭がいっぱい」という状態なら、先にこちらを読んでもらったほうがいいかもしれません。
▶ 新人ケアマネが「何もわからない」のは当たり前|着信音に怯えていた僕が教える最初のひと月の型
新人ケアマネの業務全体地図|1年の流れと「ひと月の型」
最初に断っておくと、ここで示す流れは、僕の職場と僕のやり方をもとにした一例です。職場によって順番も呼び方も変わります。ただ、細かい違いはあっても骨組みは大きく外れないので、まず地図として全体をつかんでください。1年をざっくり分けるとこうなります。
- 最初の1〜3ヶ月:引き継ぎ・先輩への同行・契約。まだ自分のサイクルは回っていない時期
- 3ヶ月目あたりから:自分の担当のサイクル(アセスメント→プラン→担当者会議→モニタリング)が回り始める
- 1年を通して:入院・退院・区分変更などのイレギュラーが不定期に割り込んでくる
そして毎月の骨組み、「ひと月の型」はシンプルです。月の前半から20日までにモニタリング訪問を終わらせて、月末は実績の確認と翌月の準備にあてる。この型さえ守れていれば、月がどれだけバタバタしても崩れません。最初のひと月をどう過ごすかは、こちらで詳しく書いています。
▶ 新人ケアマネが「何もわからない」のは当たり前|着信音に怯えていた僕が教える最初のひと月の型
ここから先は、この地図を場面ごとに拡大していきます。
担当を持つまでにやること|引き継ぎと契約
新人ケアマネの業務は、前任者からの引き継ぎや、簡単なケースの担当をもらうところから始まります。ここで大事なのは書類の受け渡しよりも、前任者の頭の中にある「この人はこういう人」という情報と、利用者・家族・事業所との関係性を受け取ることです。僕自身、転職して2ヶ月で35件を引き継いだ経験があるので、その手順はこちらにまとめています。
▶ ケアマネの引き継ぎ手順|転職2ヶ月で35件引き継いだ僕が「書類より大切」と思うこと
新規の利用者を担当するときの入り口は契約です。読み上げる書類は多いですが、全部を同じ熱量で説明する必要はありません。必ず口頭で押さえる項目と、時間のかけ方はこちらで書いています。
▶ ケアマネの契約で何を説明する?必ず口頭で話す5項目と「2時間」の中身【独立3年目の実録】
毎月回す基本サイクル|アセスメント→プラン→担当者会議→モニタリング
担当を持ったら、あとはこのサイクルの繰り返しです。順番に見ていきます。先輩や上司からケースを引き継いだ場合は④から始まります。

①アセスメントは、シートの項目を上から順に聞く場面ではありません。何を聞くか、そもそもいつやるか。ここの考え方はこちらです。
▶ ケアマネのアセスメントは何を聞く?シート順に聞かない理由と「いつやるか」の判断基準【独立3年目の実録】
②ケアプランは、アセスメントで聞き取ったことを目標とサービスの形に落とす作業です。実は新人が一番詰まるのがここなのですが、それは後半のセクションでまとめて話します。
③サービス担当者会議は、身構えるほど長い会議ではありません。全員を無理に揃えず、決めることを会議の外で先に固めておけば、15〜30分で終わります。
▶ サービス担当者会議は15〜30分で終わる|数百回回してきた僕が「全員揃えない・会議の外で決める」運用を全部話します
④モニタリングは毎月の型の中心です。日程調整に消耗しない仕組みを作れるかどうかで、月の忙しさが決まります。
▶ ケアマネのモニタリングは毎月20日までに終わる|60人担当の僕が「日程調整を消す仕組み」を全部話します
イレギュラー対応|入院・退院・区分変更・看取り・クレーム・担当変更
新人が最初に本気で焦るのは、基本サイクルではなくイレギュラーのほうです。ただ、これは事前に暗記しておく必要はありません。起きたときに、該当する記事を開いて段取りをなぞれば大丈夫です。
利用者が入院したとき。最初の連絡と情報提供の段取りはこちら。
▶ 利用者が入院したらケアマネは何をする?連携シートを「当日30分」で送る僕の段取りを全部話します
退院が決まったとき。カンファレンスに出られない場合の動き方も含めて書いています。
▶ ケアマネの退院対応の流れ|カンファに出ない退院は珍しくない【独立3年目の実録】
状態が変わって「区分変更を出すべきか」迷ったとき。申請するかどうかと、プランを動かすかどうかは別の話です。
▶ 区分変更、出す?出さない?ケアマネの判断基準|「申請するか」と「プランを動かすか」は別の話
医療が絡んできて訪問看護を入れるとき。指示書の依頼など、最初は誰でも戸惑うところです。
▶ ケアマネと訪問看護の連携術|指示書の依頼から緊急時対応まで実文つきで解説
在宅で看取りが決まったとき。数日で体制を組むことになりますが、ケアマネがやることは決まっています。
▶ 在宅看取り、ケアマネは何をする?|余命1週間の連絡から、お看取り後の終結まで
家族から強い口調で言われたとき。どこまで応じてどこで線を引くか、実際の説明トークまで書いています。
▶ 家族からのクレームにどこまで応じるか|ケアマネが線を引くときの説明トーク実例
生活保護を受けている方を担当したとき。介護保険の外の手続きを頼まれることがありますが、どこまでが担当の範囲かは決まっています。
▶ 生活保護の利用者、ケアマネはどこまでやるのか|引き受けたこと・断ったこと・断ったあとに渡した先
担当変更を申し出られたとき。連絡は本人ではなく包括から来ることが多いので、知ったあとの動き方を先に押さえておくと慌てません。
▶ ケアマネの担当変更、申し出は直接来ない|包括から電話が来たときの動き方と、引き留めない理由
新人が本当に詰まるのは「流れ」ではなく「言語化」
ここまで業務の流れを地図にしてきましたが、正直に言うと、流れそのものはそこまで心配していません。新人が本当に詰まるのは別のところだと、僕は感じています。
流れは検索で解決できる
入院したら何をするか、担当者会議で何を確認するか。こういう「手順」は、この記事のように検索すれば出てきますし、正直あとは経験(場数)です。ところが、アセスメントで聞き取った内容をケアプランや支援経過の文章にする場面には、検索しても正解が出てきません。「本人の話は聞けたのに、いざ書こうとすると手が止まる」。相談されてきた中で一番多かったのは、ここでした。
介護の仕事は「書き方」を教わる機会がない
これは僕の実感ですが、介護業界には記録の書き方を体系的に学ぶ機会がほとんどありません。看護師さんの記録が最初からある程度の型に沿っているのを見ると、養成の段階から書くことを訓練されているんだろうなと感じます。一方で僕らは、研修で5W1Hを教わったあたりで止まっていて、あとは現場任せです。だから書けないのは能力の問題ではなく、単に教わっていないだけです。放置されている新人ほど、ここでひとりで悩み続けることになります。
先輩のプランは「文」ではなく「構造」でパクる
じゃあどうするか。僕がすすめるのは、先輩のケアプランを文章ごと写すのではなく、骨組みを借りることです。見るポイントは、①病気や状態のせいで、いま何に困っているか ②以前できていたことのうち、できなくなっているのは何か ③家族がしんどくなっているのはどこか ④本人と家族はどうしていきたいか——この4つの並びと、もうひとつ、「できていること(本人の強み)」がどこに書かれているかです。文章をそのまま写すと目の前の利用者に合わない言葉になりますが、骨組みを借りれば、中身は自分の利用者の言葉で埋められます。書き方の詳しい話は、いずれ別の記事で改めて書くつもりです。

ひとつ実際にあった話をします。以前、隣の席の新人ケアマネから「この人のプラン、どう作ればいいですか」と相談されたことがあります。話を聞いてみると、プランが書けないのではなくて、その手前のアセスメントで本人の意向を聞き取れていませんでした。責める話ではありません。聞き方を教わっていないだけです。そのときは次の訪問に同行する機会を作って、まず本人の意向だけでも一緒に聞き取るところからやり直しました。すると、あれだけ止まっていたプランの言葉が、そこから埋まり始めたんです。
流れは検索で正解を探すことができます。でも、あなたが書き出せずに悩んでいる言葉は、現場でしか聞き取れないんです。もし今、聞ける先輩が誰もいない環境なら、それはあなたの問題ではなく職場の仕組みの問題です。この点は最後にもう一度触れます。
新人ケアマネの月間チェックリスト+まとめ
最後に、ひと月のルーティンをチェックリストにしておきます。大きめの付箋などに書き起こしてパソコンの端に貼ってください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 月初 | 前月の実績を確認する/今月のモニタリングなどの予定を確認して書き起こす |
| 〜20日 | モニタリング訪問を終わらせて記録まで書き切る |
| 下旬 | 支援経過の書き残しを整理する/認定更新が近い人・来月の担当者会議の予定を確認する |
| 随時 | 入院・退院・区分変更などのイレギュラー対応(該当記事を開いて段取りをなぞる) |
まとめます。新人ケアマネに必要なのは、分厚いマニュアル本を最初から読み込むことではありません。まず業務の全体像をつかんでおいて、困った場面が来たら、その場面のやり方が書いてある記事をその都度開く。この記事は、そのための地図です。この記事をブックマークしておいて、場面ごとに各記事へ飛ぶ使い方をしてもらえたら、それがこの記事の役目です。
そして最後にひとつだけ。この記事で補えるのは、「教わっていない」のうち知識の部分までです。同行させてくれる先輩も、プランを見せてくれる先輩もいない。質問しても「見て覚えて」で終わる。そういう放置が職場の仕組みとして固定されているなら、頑張る場所を変えるのも選択肢に入れていいと僕は思います。アドバイザーに今の状況を話して、育成体制のある職場を探してもらうだけなら無料です。
※レバウェル介護の対応エリアは北海道・宮城・東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・静岡・大阪・京都・奈良・兵庫・広島・福岡です(派遣はエリア内からの応募のみ対象)。