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ケアマネの担当件数、何件が限界?60人担当している僕が「きつさの正体」を話します

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「ケアマネの担当件数って、何件が限界なんだろう?」

いま30件台を持っていて余裕がない人も、40件近くまで積まれてしんどい人も、一度は検索したことがあるんじゃないでしょうか。

先に僕の答えを言います。

僕は独立3年目の主任ケアマネですが、いま約60人の利用者さんを担当しています。それでも、正直きつくありません。

「60人なんて絶対無理でしょ」と思いましたよね。でも制度上の計算をすると、僕の60人は減算ラインの内側に収まっています。この仕組みはあとで図解つきで丁寧に説明します。

そして、もっと大事なことがあります。ケアマネ業務のきつさを決めているのは、実は担当件数の「数」ではありません。僕自身、雇われ時代に30件台でヒーヒー言っていた時期もあれば、いまの60人がむしろ楽に回っている月もあります。この差を生んでいるものの正体を、この記事で全部話します。

この記事でわかることは3つです。

・担当件数の上限と計算方法(サイトによって数字が違う理由も)
・60人担当している僕のリアルな内訳と、きつさの本当の正体
・件数に振り回されないための考え方と、いまの職場がきつい場合の選択肢

件数の数字に怯えている人ほど、読み終わる頃には気持ちが軽くなっているはずです。それでは始めます。

【2026年版】担当件数の上限は44件。でもサイトによって数字が違いますよね

まず制度の話を最短で済ませます。ここで覚えることは2つだけです。

・居宅ケアマネの担当件数は、44件までなら条件なしで満額の報酬
・事業所が「ケアプランデータ連携システムの活用+事務職員の配置」の体制を整えていれば、49件まで広がる

45件目以降(体制ありなら50件目以降)は「逓減制(ていげんせい)」という仕組みで、1件あたりの報酬が段階的に下がります。件数を無限に積めない構造になっているわけです。

「35件」「39件」「40件」…数字がバラバラな理由

ところで、担当件数を検索すると、サイトによって書いてある数字が違うことに気づきませんでしたか。「35件が基準」「40件を超えると減算」「上限は44件」──全部見つかります。

種明かしをすると、古いルールの記事がネット上に残っているだけです。担当件数のルールは、ここ数年で2回動いています。

時期 満額で持てる件数
〜2021年3月 39件まで(40件から減算)
2021年4月〜 44件まで(ICT活用または事務職員配置で緩和)
2024年4月〜(現行) 44件まで/体制ありの事業所は49件まで

「35件が目安」とよく言われていたのは、旧ルール時代の実務感覚の名残です。つまり、いまあなたが40件近く持たされていても、制度上は「詰め込まれすぎ」とは言えなくなっている。ここが、現場の体感と制度のズレが生まれているポイントです。

ちなみに、要支援の利用者さんは3人で1件とカウントします(2024年4月から。それ以前は2人で1件でした)。この換算が、次の章の「僕が60人持てている種明かし」につながります。

【実例公開】僕はいま60人担当しています(でも減算されていません)

制度の数字を押さえたところで、僕のリアルを公開します。

いま僕が担当しているのは約60人。内訳はだいたい要介護30人・要支援30人です。

「え、上限44件って言ったばかりじゃん」と思いますよね。ここが、この記事でいちばん丁寧に説明したいところです。

担当「人数」と担当「件数」は別物です

さっきの44件という上限は、頭数ではなく換算後の「件数」で数えます。ルールはこうです。

・要介護の利用者さん:1人=1件
・要支援の利用者さん:3人で1件(1人=3分の1件)

このルールで僕の60人を計算してみます。

内訳 計算 件数
要介護 30人 30人 × 1 30件
要支援 30人 30人 ÷ 3 10件
合計 60人 40件

ケアマネの担当件数の換算図。要介護30人は30件、要支援30人は3人で1件のため10件となり、合計40件で上限44件の内側に収まることを示す計算のイラスト

60人担当していても、換算すると40件。上限の44件より内側なので、報酬は満額のまま。減算はゼロです。

「60人も担当しているケアマネ」と聞くと限界ギリギリの働き方に見えますが、制度の物差しで測ると、実はまだ余裕がある。担当人数の多さと制度上の限界は、イコールではないんです。

要支援30人のうち10人は「直接契約」です

もうひとつ、僕の60人にはカラクリがあります。要支援30人のうち10人ほどは、地域包括支援センターからの委託ではなく、僕の事業所が直接契約(三者契約)で担当しています。

2024年4月から、居宅介護支援事業所も市町村の指定を受ければ、要支援の方の介護予防支援を直接引き受けられるようになりました(総合事業のサービスだけを使う方は対象外です)。

これの何がいいかというと、ケアマネの手間が減ります

・作った予防ケアプランを地域包括支援センターにチェックしてもらう工程がなくなる
・給付管理も自分の事業所で完結する
・包括さんとのやり取りが、基本的に契約のときだけになる

要支援を「手間のわりに単価が低いから受けたくない」と敬遠するケアマネは多いですが、直接契約なら、その手間の工程が減ります。僕が要支援を30人受けている背景には、この制度変更があります。

この指定、実際どうなの?と思った方へ。申請のやり方から、直接契約で2年回してわかった実際のところまで、1本にまとめています。

介護予防支援の指定、居宅は取るべき?制度開始から2年回した僕の結論

ちなみに、要支援を積極的に受けているのには経営上の理由もあるのですが、その話はあとの章でじっくりやります。件数と収入の関係を先に知りたい方は、こちらの記事でリアルな数字を公開しています。

主任ケアマネの年収はいくら?数字がバラバラな理由と、雇われ・独立の両方を経験した僕の実額

きついのは件数じゃなく「動き」だった

ここからが、この記事でいちばん伝えたいことです。

60人担当している僕ですが、じゃあ毎日限界ギリギリなのかというと、全然そんなことはありません。逆に、雇われ時代に30件台で担当していた頃のほうが、しんどい月は確実にありました。

この差を生んでいるのは、件数ではありません。「動いている案件」がいくつあるかです。

新規1件で発生する仕事、全部書き出します

新規の利用者さんを1人お受けすると、何が発生するか。実際の作業を並べます。

・初回訪問(契約と重要事項の説明もここで)
・アセスメントの作成
・サービス事業所の選定
・デイサービスの利用希望があれば見学の調整
・ケアプラン原案の作成
・担当者会議の日程調整と開催
・ケアプランの説明・同意・交付
・利用票・提供票の作成
・家族やサービス事業所との連絡(進捗の共有、サービス内容や曜日のすり合わせ)

これが1件分です。しかも、この作業は自分のペースだけでは進みません。相手のある仕事なので、電話の折り返しを待ち、事業所の空き状況を待ち、家族の都合を待つ。待っている間に別の案件の連絡が入る。

新規が3〜5件同時に動いて、そこにサービス変更が2〜3件重なる──これが僕の考える「詰む」組み合わせです。このときのしんどさは、担当件数が30件だろうと60件だろうと関係なく襲ってきます。

逆に、動きのない60件は「楽」です

一方で、新規もサービス変更もない月の60件はどうか。

やることは、月1回のモニタリング訪問を予定どおりこなしていくこと。これが中心です。訪問して、様子を確認して、記録を書く。決まったリズムで回る仕事です。

正直に言えば、動きのない60件は、新規が5件動いている30件より、はるかに楽です。

だから「担当件数、何件が限界?」という問いには、こう答えるのが正確だと思っています。限界を決めるのは件数ではなく、そのなかで同時に動いている案件の数だと。

余談:新人時代、上司に電話を取られていました

動いている案件のしんどさで思い出すのが、新人ケアマネの頃の話です。

当時は連絡手段がほぼ電話でした。動かしている案件について事務所に電話がかかってくると、先に上司が出ることがあって、あとから「この優先順位、間違ってるよ」と指導が入る。それ自体はありがたいことなんですが、圧があって、ちょっとしんどかったですね(笑)。

電話中心のやり取りは、こちらが出られない・折り返しても相手が出ない、のすれ違いで単純に機会損失です。いまの僕はLINEやメールでのやり取りが中心になり、この「待ち」のロスがかなり減りました。動いている案件のしんどさは、連絡手段でも変わるということです。

もしあなたがいままさに新人で、件数どころか「そもそも何もわからない」段階にいるなら、先にこちらをどうぞ。電話に怯えていたこの時代の僕が欲しかった、デビュー直後の「最初のひと月の型」を1本にまとめました。

新人ケアマネが「何もわからない」のは当たり前|着信音に怯えていた僕が教える最初のひと月の型

動きのない60件を回す、僕の運用ルール

「動きがなければ楽」と言いましたが、60件のモニタリング訪問を無計画にさばけるわけではありません。僕がやっているのは、シンプルなルールひとつです。

前月のうちに、翌月の訪問予定をできる限り確定させておく。これだけです。

「約束を先に取る」だけで、月がまるごと軽くなる

具体的にはこう動いています。

・当月の訪問時に、次回(翌月)の日時をその場で約束する
・相手は高齢者なので、利用者さん宅のカレンダーに僕が直接書き込んで、スマホで写真を撮っておく
・LINEやメールが使えるご本人・ご家族には、LINEで予定をアナウンスしておく
・その場で約束できない方は、毎月1〜10日のあいだに連絡して日時を決めてしまう

なぜここまで前倒しするのか。理由は単純で、訪問予定が確定していないと、心理的に焦るからです。

ケアマネの訪問は月1回。「今月まだ行けていない人が何人もいる、でも予定が決まっていない」という状態は、実際の作業量以上に頭のリソースを食います。逆に、月初の時点で60件分の予定がカレンダーに並んでいれば、あとは淡々とこなすだけ。もし相手の都合が悪くなれば、向こうから連絡が来ます。

この予定の固め方は、その場で送るLINEの文面テンプレから、毎月20日までに回し切る月間スケジュール、入院中・訪問拒否など「会えない月」の制度判断まで、モニタリング専用の1本にまとめました。

ケアマネのモニタリングは毎月20日までに終わる|60人担当の僕が「日程調整を消す仕組み」を全部話します

ちなみに「月1回訪問」のルール、正確に知っていますか?

この運用の前提になっている制度の話を、ひとつだけ。

ケアマネの月1回訪問は、運営基準(第13条第14号)で「少なくとも1月に1回、利用者に面接すること」「少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録すること」と定められています。面接は原則、利用者さんの居宅を訪問して行います。

ポイントは、「月に1回」であって、日付の指定はないということ。月初でも月末でも、その月のうちに訪問と記録ができていれば基準は満たします。だから「前月に予定を固めて、月のなかで無理なく配分する」という組み立てができるわけです。

※運用の細かい解釈は保険者によって差があるので、迷ったら自分の保険者に確認するのが確実です。

ちなみにこの「前月のうちに固める」発想は、モニタリング訪問だけでなく担当者会議にも使えます。認定更新の会議を1ヶ月前の「予告」から設計して、当日は15〜30分で終わらせる僕の運用は、こちらの記事で全部話しています。

サービス担当者会議は15〜30分で終わる|数百回回してきた僕が「全員揃えない・会議の外で決める」運用を全部話します

件数は「守るもの」じゃなく「設計するもの」

ここまでは「いま持たされている件数がきつい」という視点の話でした。最後に、独立してから気づいた、逆側の視点の話をさせてください。

雇われ時代、担当件数は「上から割り振られるもの」で、上限は「守るべきライン」でした。でも独立すると、担当件数は売上そのものになります。何件を、どの内訳で持つか。それを自分で設計することになるんです。

僕が要支援を30人受けている、経営上の理由

正直に言うと、僕の事業所は要介護の件数がまだ少ない。つまり売上が細い。だから要支援を積極的に受けています。

「要支援は単価が低いのに?」と思いますよね。ここに僕の持論があります。

要支援の利用者さんは、いずれ要介護になる可能性が高い「見込みのお客さま」なんです。介護保険の単価で見れば低くても、時間の軸で見れば、将来の要介護のご縁を先に預かっているのと同じ。だから僕は、地域包括支援センターに「要支援、ウェルカムです」と伝え続けています。

しかも要支援は、実は「時間単価」がいい

見込みのお客さまという将来の話だけではありません。要支援は、いま現在の時間単価で見ても悪くないんです。

要支援の報酬は1件あたり月4,000〜5,000円ほど(地域の単価によって差があります)。「安い」と言われる金額です。

でも、かかる手間の側を見てください。介護予防支援のモニタリングは、居宅の「毎月訪問」とルールが違って、訪問は3ヶ月に1回。あいだの2ヶ月は電話などでの状況確認が認められています。僕の場合、この電話は長くても15分くらいです。

つまり、新規もサービス変更もない月なら、その月にかかる手間は15分の電話だけで、報酬は4,000〜5,000円。1時間に4件の電話予定を組めば、その1時間が2万円ぶんの担当をケアしている計算になります。

「要支援は手間のわりに安い」という通説は、毎月訪問する前提の計算です。制度どおりに回せば、時間単価はむしろ良い。この見方ができるかどうかで、要支援30人の意味はまったく変わってきます。

包括からの新規相談が増える、実績報告のひと工夫

具体的にやっているのは、これだけです。

毎月の実績報告のとき、新規の受け入れ状況を数字で具体的に伝える。「要介護あと○件、要支援あと○件、受け入れできます」と。

実績を手渡ししている地域なら頭紙にそのまま書けばいいし、FAXで送っている場合も頭紙に一行載せるだけ。コストはゼロです。

これを続けていると、包括さんの側に「あそこはいつでも受けてくれる事業所」という認識ができます。新規の相談が自然に来るようになる。つまり、営業をしなくてよくなるんです。

この「営業をしなくてよくなる」仕組みは、実績報告の書き方から包括との関係づくりまで、別の記事で全部公開しています。

ケアマネの営業はいらない?独立3年目の僕が挨拶回りをやめて包括紹介98%になった仕組み

件数を「割り振られて、守るもの」として見ているうちは出てこない発想だと思います。件数を自分で設計する側に回ると、担当件数の悩みは「何件までなら潰れないか」から「何件をどう積むか」に変わります。この感覚の変化が、僕にとって独立のいちばん大きな収穫でした。

独立に少しでも興味が湧いた方は、手続きからお金の現実まで、僕の実体験を全部この記事にまとめています。

ケアマネが独立するために必要なこと【完全ガイド】|居宅介護支援事業所を立ち上げた僕の実体験

いま件数がきついあなたへ:3つのチェック

最後に、この記事を「担当件数 きつい」「何件が限界」と検索してたどり着いたあなたへ。件数のしんどさを感じたら、辞める・辞めないの前に、この3つを順番に確認してみてください。

チェック①:きついのは「件数」か、「動きの量」か

まず切り分けです。しんどい原因は、担当件数そのものですか? それとも、いま同時に動いている新規・サービス変更・入退院の数ですか?

動きの量が原因なら、それは一時的な波です。波が過ぎれば落ち着くし、対策も「予定の前倒し」「連絡手段の見直し」など打ちようがあります。件数を減らさなくても解決する可能性が高い。

たとえば「動き」の代表格が、利用者さんの急な入院です。これも第一報の受け方から連携シートの当日送付、長期入院のときの距離感まで、段取りが決まっていれば数十分の動きで収まります。僕の入院対応はこちらに全部書きました。

利用者が入院したらケアマネは何をする?連携シートを「当日30分」で送る僕の段取りを全部話します

その「打ちよう」を具体的にまとめたのが、残業をテーマにしたこの記事です。動きの量に振り回されない段取りと、AIの使い方まで書いています。

ケアマネの残業は平均月4時間?——統計と体感が違う理由と、独立して残業が消えた僕の話

チェック②:動きが集中する「構造」が職場にないか

ただし、波が一時的でない場合があります。たとえば──

・新規がいつも特定の人にばかり割り振られる
・退院支援や困難ケースが「あの人なら大丈夫」で集まってくる
・欠員が出ても補充されず、その分が上乗せされ続けている

これは動きの波ではなく、職場の構造です。あなたの頑張りで解決する問題ではありません。

チェック③:その構造を、職場に言えるか

構造の問題なら、本来は割り振りの見直しを相談すべきです。言える職場なら、まず言ってみる。改善されるなら、その職場は大丈夫です。

問題は、言えない職場・言っても変わらない職場の場合。そのときのしんどさの正体は、件数でも動きでもなく「職場」です。僕自身、辞めたいと思った相手はケアマネの仕事ではなく職場でした。その話はこちらに書いています。

ケアマネを辞めたい?僕が辞めたかったのは「ケアマネ」ではなく「職場」だった

職場を変えれば、同じ資格・同じ仕事のまま、件数の景色は変わります。転職サイトに登録して、自分の地域の求人で「担当件数◯件程度」の記載を見比べるだけでも、いまの職場の位置がわかります。情報収集は無料でできるので、動くかどうかはそれから決めればいい。

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ちなみに「管理者と兼務でさらにきつい」という方は、こちらの記事もどうぞ。兼務のきつさも、分解すると正体が見えます。

ケアマネと管理者の兼務はきつい?フル担当のまま管理者をやった僕の本音

まとめ:件数の数字に、怯えなくていい

最後に、この記事の要点をまとめます。

・担当件数の上限は44件(体制ありの事業所は49件)。ネットの「35件」「40件」は古いルールの名残
・件数は頭数ではなく換算で数える。要支援は3人で1件。だから僕は60人担当でも換算40件、減算ゼロ
・きつさを決めるのは件数ではなく、同時に動いている案件の数
・動きのない件数は、予定を前倒しで固めれば淡々と回る
・独立すると、件数は「守るもの」から「設計するもの」に変わる

いまのあなたが件数の多さにしんどさを感じているなら、まず「きついのは件数か、動きか、職場の構造か」を切り分けてみてください。切り分けた先に、対策も選択肢も見えてきます。

数字そのものは、敵ではありません。60人担当している僕が言うので、きっと間違いないです ^^

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