通院時情報連携加算。名前は知っているけれど、算定したことはない。この記事にたどり着いた方の多くが、そうではないでしょうか。
僕も同じです。この加算ができてから5年、一度も算定していません。そもそも通院に同行したこと自体がゼロです。
ただ、それは「医師と連携していない」という意味ではありません。連携はしています。診察室に同席していないだけです。
この記事では、加算を取らない側の実務を書きます。なぜ取らないのかを数字で説明したうえで、同行せずに医師の情報をどう取っているか、家族経由で主治医に何をどう届けているか、医師に直接聞くときは何をどう書いているかまで、実際の文面の構造ごと出します。
新設から5年、一度も算定していない
通院時情報連携加算が新設されたのは、令和3年度の介護報酬改定です。1か月あたり50単位。制度としては、もう5年継続されています。
その5年で、僕の算定回数はゼロです。担当している利用者のなかには、月1回の通院を続けている方も、認知症で受診時の説明が本人に伝わりにくい方もいます。それでも同行はしていません。
これは僕が特別に薄情なわけではなくて、全国の数字とほぼ一致しています。厚生労働省の介護給付費等実態統計(令和4年4月審査分=令和4年3月サービス提供分)で、この加算の算定状況はこうなっています。
- 算定率(件数ベース):0.5%
- 算定率(事業所ベース):14.7%(請求事業所5,565か所)
この2つの数字を並べると、現場で起きていることが見えてきます。算定したことのある事業所は7つに1つある。それなのに、給付管理の件数全体で見ると200件に1件しか発生していない。つまり「誰も知らない加算」ではなく、「一度は取ってみた事業所がそれなりにあるのに、続かなかった加算」です。
続かない理由は、次の章以降で説明します。制度の中身より先に結論を言ってしまうと、理由は2つです。要件が「同席」に一点固定されていること。そして、その同席コストが、加算の報酬額とまったく釣り合っていないこと。連携そのものは、同席しなくても成立してしまいます。
出典:社会保障審議会介護給付費分科会(第230回)資料5「居宅介護支援・介護予防支援(改定の方向性)」(厚生労働省)
通院時情報連携加算とは(要件は4つ)
制度の説明は短く済ませます。ここを厚く書いているサイトは山ほどあるので、必要な4点だけ押さえます。
- 単位数:50単位/月
- 算定回数:利用者1人につき、1か月に1回が限度
- 算定要件:利用者が病院または診療所で医師の診察を受けるときに介護支援専門員が同席し、医師等に対して利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、あわせて医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けたうえで、居宅サービス計画に記録すること
- 令和6年度改定:同席の対象に歯科医師が追加されました
要件を分解すると、満たすべき動作は4つです。①診察に同席する ②こちらから情報を渡す ③向こうから情報をもらう ④ケアプランに記録する。このうち②③④は、正直なところ日常業務で毎月やっていることです。ハードルは①だけです。
そして①は、努力や段取りでは短縮できません。診察室に体を運ぶ以外の方法がないからです。ここが、同じ「情報連携」でも入院時情報連携加算とまったく違うところで、入院時のほうは提供方法を問わないので、病院に足を運ばなくても算定できます。
入院時のほうの判断基準はこちらにまとめています。入院時情報連携加算、このケースで取れる?|土日入院・月またぎのグレーゾーンと、算定を見送るとき
取らない理由は、シンプルに損益が合わないから
ここからが本題です。僕が同行しない理由は、忙しいからでも、医師が苦手だからでもありません。計算すると、本業より安い仕事になるからです。
50単位は、1単位10円で計算して500円です。まず、いちばん条件のいい場合を想定してみます。
- クリニックが事務所から徒歩5分
- 診察の時間にちょうど到着し、待ち時間はゼロ
- 診察に同席し、終わったあと利用者と少し話して5分
- 事務所に戻って5分
ここまでで15分。ただし、これで終わりではありません。得た情報を居宅サービス計画等に記録するところまでが要件です。診察室で聞いた内容を整理して、ケアプラン(支援経過)に落とす。この作業は、待ち時間がゼロでも、クリニックが目の前にあっても、必ず発生します。
つまり15分という数字は、最良ケースとしてすら成立していません。記録まで含めれば、どんなに手際よくやっても20分は超えます。時給に直すと2,000円を下回る。この時点で、加算の要件を全部満たす動作は「本業の3分の1以下」で確定します。
ここで比較対象を置きます。厚生労働省の調査によると、ケアマネジャーが利用者1人に対して1か月間に費やす直接業務の時間は112.6分です(サービス付き高齢者向け住宅に入居していない利用者の場合)。この時間で受け取る居宅介護支援費は、要介護1・2でおよそ12,000円、要介護3以上でおよそ15,000円。時給に直すと、およそ6,400円から8,000円になります。
念のため補足すると、これは事業所に入る売上を時間で割った数字で、ケアマネ個人の給料の時給とは別物です。ここで比べたいのは給料の高安ではなく、同じ1時間を何に使うといくら入るかだからです。
並べると、こうなります。
- 通常のケアマネジメント業務:時給およそ6,400〜8,000円
- 通院同行(最良の条件・記録まで含む):時給1,500円前後
3分の1から4分の1です。赤字というのは「500円が安い」という意味ではありません。その15分を、本業の3分の1の単価で売っているという意味です。同行している15分のあいだ、他の利用者の対応は止まっています。
そして、この15分は現実には成立しない
ここまでは、すべてが理想どおりに進んだ場合の話でした。実務ではこうなりません。
- 待合室で待つ:予約時間どおりに診察が始まる医療機関ばかりではありません。ここが読めない
- 事前確認が要る:同席してよいか、診療の妨げにならないかを、事前に医療機関へ確認しておく必要があります(令和3年3月のQ&A)
- 徒歩5分という立地が、そもそも例外
そして、いちばん大きいものが計算に入っていません。日程調整です。受診日は利用者と医療機関の都合で決まります。そこに合わせるには、その日に入っていたモニタリング訪問や担当者会議、事務作業のほうを動かすことになる。15分の同行のために、他の予定を動かす調整が先に発生します。
ここは断言します。500円を受け取るために、モニタリングや担当者会議や事務作業より通院を優先する。これは経営判断として、まったく理にかなっていません。
しかも月1回が上限です。同じ月にもう一度同行しても、加算は50単位のまま。この構造は効率化ではどうにもなりません。段取りを極限まで詰めた理想値ですら本業の3分の1なのですから、詰める方向に伸びしろがないということです。
「取らないと体制加算に響くのでは」への答え
ひとつ不安を潰しておきます。この加算を取らないことで、特定事業所加算まわりに影響が出るのではないか、という心配です。影響ありません。
特定事業所医療介護連携加算(125単位/月)の要件は3つです。前々年度3月から前年度2月までの間に、退院・退所加算の算定に係る病院等との連携が35回以上あること。同じ期間にターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定していること。そして特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)のいずれかを算定していること。通院時情報連携加算は、この要件に一切含まれていません。
つまり、通院時情報連携加算を5年間ゼロで通しても、体制加算の側には何も起きません。ここは安心して判断していい部分です。
「関係づくりへの投資になるのでは」への答え
もうひとつ、想定される反論に先に答えておきます。「加算の金額はともかく、医師と顔を合わせることが将来の連携への投資になるのでは」という見方です。
医師との関係づくりが重要だという点には、まったく同意します。あとの章で説明しますが、僕が医師に直接照会をして所見をもらえたのは、日頃から情報を渡す関係を作ってあったからです。関係づくりへの投資は、しています。
ただし、その投資の手段が「診察への同行」である必要はありません。関係づくりは、同行よりはるかに安いコストで作れます。僕が同行の代わりにやっているのは、次のようなことです。
- 受診で確認したいことがあるときは、事前に文面を整えて家族に渡す
- 本人や家族の意向が変わったときに、医療機関から聞かれる前にこちらから伝える
- 薬局やリハビリから上がってきた情報を、こちらで束ねてから渡す
どれも移動時間も待ち時間も発生しません。事務所にいたまま、電話1本かメール1通でできます。診察室に座っている15分より、こうしたやりとりの積み重ねのほうが、医師や看護師から見た「話の通じるケアマネ」を作ります。
同行という手段だけを取り出せば、投資としての要素はほぼありません。年に数回、待合室で数十分を消費して得られるものより、日常の情報のやりとりで積み上がるもののほうが、はるかに大きいというのが5年やってみた結論です。
これは、算定率0.5%と事業所ベース14.7%のギャップの説明にもなっていると思います。一度やってみた事業所は多い。でも、やってみた結果を経営者の目で見ると、続ける理由がない。だから件数が積み上がらない。
加算を取るかどうかを損益で判断する話は、ターミナルケアマネジメント加算でも書いています。在宅看取り、ケアマネは何をする?|余命1週間の連絡から、お看取り後の終結まで
ただ、ここで話が終わると「ケアマネは金にならないから医療連携をしない」という、いちばん誤解されやすい形になります。実際は逆です。同行しなくても、医師の情報は取れています。次の章から、そのルートを具体的に出します。
なお、僕が通院同行をしていないのは独立してからの話です。雇われていたころは、事業所が容認していたので同行していました。その違いがどこから来るのかは、こちらに書いています。ケアマネのシャドーワーク、雇われ時代は全部やった|独立してからは断って、つなぐことに徹している
同行しなくても、医師の情報は取れている
「加算を取らない=医師とつながっていない」ではありません。診察室に入らなくても、必要な情報は入ってきます。僕が実際に使っているルートを、使う頻度の順に並べます。

① 家族に、受診後に連絡してもらう
いちばん多いのがこれです。受診の前に「先生にこれを聞いてきてほしい」「結果を教えてほしい」と家族に伝えておき、受診後に返してもらいます。手段は電話だけではなく、LINEとメールが主力です。文字で残るので、聞き間違いも伝え忘れも起きません。
この「何をどう頼むか」が実務の核心なので、次の章で文面を紹介します。
② 本人から、次回訪問時に聞く
認知機能に問題がなく、家族が同居していない方の場合はこちらです。モニタリング訪問のときに「この前の受診、どうでした?」と聞く。お薬手帳や検査結果の紙を見せてもらえることも多いので、そこで確認します。
③ 訪問看護から上げてもらう
訪問看護が入っている方なら、これがいちばん確実です。医療職が見た情報が、医療の言葉のまま上がってきます。訪問診療が入っていれば、診察の場に看護師が同席していることも多く、そこで交わされた内容が上がってくることもあります。
訪問看護との連携は、依頼の仕方でもらえる情報の質が変わります。指示書の依頼から緊急時の動き方までこちらにまとめています。ケアマネと訪問看護の連携術|指示書の依頼から緊急時対応まで実文つきで解説
④ 退院した病院に外来で通っているなら、MSWという手がある
回数としては数えるほどですが、これは質の高いルートでした。
入院中に関わってくれたMSW(医療ソーシャルワーカー)がいて、退院後もその病院に外来フォローで通院しているケース。このとき、外来を受診した内容をMSWのほうから僕に伝えてくれたことがあります。本人にも医師にも確認を取ったうえで、です。
このルートの価値は、その一回だけで終わらないところにあります。その病院に「連絡が取れるMSW」がひとりいる状態が作れると、以後のコミュニケーションコストが一気に下がります。誰に何をどう聞けばいいかを毎回探さなくてよくなるからです。
条件は限られます。入院を経てその病院に外来で通っていること、そして入院中にMSWとの接点ができていること。この2つが揃ったときは、先方の迷惑にならない範囲で情報連携を図ってみる価値があります。連携室は入退院のときだけの窓口ではない、ということです。
MSWとの接点は、入院したときの動き方で決まります。連携シートの送り方はこちらです。利用者が入院したらケアマネは何をする?連携シートを「当日30分」で送る僕の段取りを全部話します
ここまで4つ挙げましたが、①〜③のどれかで足りてしまう、というのが正直なところです。そしてこの4つはいずれも、加算の要件である「診察に同席」を満たしません。連携はしている。加算は取れない。この記事の題名にした構造は、ここのことです。
家族経由で主治医に届けるときの、文面の型
前の章で「家族に頼む」と書きましたが、口頭では絶対に頼みません。齟齬が出るし、伝え忘れも起きるからです。必ず残るものにします。使う順番はLINE、メール、手紙。相手が使えるものの中でいちばん軽いものを選びます。
そして頼み方には型があります。ケアマネが数か月かけて把握してきた経過と、サービス事業所から上がってきた情報を、家族が先生にそのまま読み上げられる形の文章に整えて渡す。これが合理的だと考えています。家族に「うまく説明して」と丸投げしないということです。
実際に送った文面です(利用者が特定されないよう、疾患名・服薬数・回数は改変しています)。訪問リハビリと訪問看護の導入について主治医の判断を仰いでもらうために、家族とのLINEグループを作った直後の第一報です。
お世話になっております。
今後の連絡・情報共有をスムーズにするため、グループを作成しました。
よろしくお願いいたします。さっそくですが、以下ご案内いたします。
【今後の流れについて】
・介護保険サービスを適用させるための書類(ケアプラン)を作成中です
・書類が整い次第、署名・捺印のご都合をご確認させていただきます【訪問リハビリ・訪問看護のご提案とその理由】
これからの生活を安全に、そして少しずつ元の生活に近づけていただくために、以下の2つのサービスをご提案しています。▷ 訪問リハビリ
足に力が入りにくく転倒のリスクがあること、また体力の低下により無理のない範囲での体力維持・歩行の安定が必要なため、理学療法士などに自宅へ来てもらい、安全なリハビリの方法を一緒に確認・指導してもらうことを提案しています。▷ 訪問看護
お薬の種類が多く、体調の変化が起きやすい状況です。看護師が定期的に体調を確認し、気になることがあれば先生へ情報をつなぐ役割を担ってもらうことで、在宅での安心感を高めることができると考えています。次回の受診の際に、先生へ「ケアマネから訪問リハビリと訪問看護の提案があった」とお伝えいただき、先生のご意見・ご指示を確認していただけますと助かります。
またご利用に前向きであれば、その旨もお知らせください。長文になり恐縮です。
何かご不明な点やご相談があれば、いつでもこちらにメッセージをいただいて大丈夫です。
土日・時間外でも確認しますので、お気軽にどうぞ。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。
この文面が何をしているか
長く見えますが、入っている要素は5つだけです。
- ① 連絡手段を作った理由:グループを作ったこと自体を最初に説明する
- ② 今後の流れ:家族が「次に何が起きるか」を先に知る
- ③ 提案とその理由:サービス名だけでなく、なぜ必要かを本人の状態と結びつけて書く
- ④ 先生への伝言依頼文:家族がそのまま口にできる一文にしておく
- ⑤ 返信の間口:いつでも・土日でも大丈夫、と書いて返しやすくする
いちばん重要なのは③です。「訪問看護を入れましょう」だけでは、家族は先生に説明できません。お薬の種類が多く体調の変化が起きやすい、だから看護師に定期的に見てもらい、変化があれば先生に情報をつなぐ——ここまで書いてあれば、家族は読み上げるだけで済みます。そして医師にとっては、これはケアマネからの情報提供そのものです。
診察室にいなくても、情報は届いている。届いた結果として指示や意見が返ってくる。これが「連携はしている」の実体です。
医師に直接聞くときの型
家族経由では間に合わない場面もあります。僕が医師に直接照会したケースを1つ出します。利用者が特定されないよう、状況は抽象化しています。
確認の争点は判断能力でした。行政と地域包括支援センターからは「成年後見の要件に該当しない」という見立てを示されましたが、僕が数か月見てきた限り、契約行為は成立していないと感じていました。ここを覆すには、医学的な所見が要ります。
どう送ったか
宛先は診療所の看護師2名。医師への取次ぎを前提に、先方都合に合わせてチャットツールで送りました。医師本人に直接ではご迷惑となるので、看護師・事務員を経由したほうが確実に届きます。
文面の構造は、家族向けとは逆にしました。
- 冒頭に、聞きたいことだけを置く(何を判断してほしいのかを最初に確定させる)
- 背景と約1年分の時系列は、後ろにまとめる(整理する)
医師は忙しい。冒頭3行で「自分は何を答えればいいのか」がわからない文章は、後回しになります。逆に、答えるべき問いが先頭にあれば、背景は診察の合間に流し読みできます。
どう返ってきたか
4日後、ちょうど診察のあった日に、看護師経由で所見が返ってきました。内容は3点です。
- 現状で契約行為は不可能であること
- 成年後見制度または日常生活自立支援事業の利用が必要と考えられること
- 認知機能検査の実施と、診断書作成が可能であること
この所見が、行政・包括の「要件に該当しない」という当初の判断を動かす根拠になりました。診察に同席していたら、この情報が取れたか。おそらく取れません。診察室で「この方の判断能力についてご意見をください」と口頭で聞いても、その場の短い返答で終わります。文書で問い、文書で返してもらったから使えた情報です。
なぜ返ってきたのか
正直に書くと、この照会が通ったのは文面がうまかったからではありません。普段から情報を「もらう」だけでなく「渡している(共有している)」からです。
- 受診の前に確認したいことがあるときは、家族経由で文面にして届けておく
- 本人や家族の意向が変わったときに、聞かれる前にこちらから伝える
- 薬局やリハビリから上がってきた情報を、こちらで集約して渡す
問い合わせるずっと前から、こちらが情報共有をしている。この状態を作っておくと、いざ大事なことを相談するときに、前提を揃えるコストがかかりません。相手はもう、この利用者の生活の状況を知っているからです。
逆の立場で考えると分かりやすいと思います。普段は何も共有してこない相手が、困ったときだけ「先生、お願いします」と長文を送ってくる。気持ちよく答えられる人は少ないはずです。関係ができていない状態で照会だけ送っても、返ってこないと思います。
それでも取りたい人のためのQ&A
ここまで「取らない」話をしてきましたが、取る判断もあり得ます。要件まわりでよく引っかかる点をまとめます。
往診・訪問診療のときに算定できる?
できません。算定要件が「利用者が病院又は診療所において医師又は歯科医師の診察を受けるとき」と場所を指定しているためです。自宅で受ける往診・訪問診療は、この要件を満たしません。
実は僕も一度、訪問診療の日にモニタリングを重ねれば効率が良いのでは、と考えたことがあります。調整コストが割に合わないと判断して見送ったのですが、そもそも算定できませんでした。ここは間違えやすいところだと思います。
モニタリングの日程の組み方そのものは、別記事に切り出しています。ケアマネのモニタリングは毎月20日までに終わる|60人担当の僕が「日程調整を消す仕組み」を全部話します
本人が行かず、家族だけが受診した場合は?
算定できません。要件の主語は「利用者が診察を受けるとき」です。家族が代理で受診し、そこにケアマネが同席しても対象外になります。
要支援の人(介護予防支援)でも取れる?
取れません。この加算は居宅介護支援に設定されているもので、介護予防支援の報酬体系には置かれていません。
入院時情報連携加算と同じ月に両方取れる?
それぞれ別の加算で、要件も別です。同じ月に両方の要件を満たせば、それぞれ月1回まで算定するという整理になります。ただし請求の実務では保険者の運用を確認しておいたほうが安全です。
単位数と金額は?
50単位/月です。1単位10円で計算すると500円。地域区分によって上下します。利用者1人につき1か月に1回が上限で、同じ月に2回同行しても50単位のままです。
記載例・支援経過はどう書く?
ここは正直に書きます。僕は算定していないので、実際に書いた記載例を出すことができません。要件から逆算すると、記録として残すべきなのは次の3点です。
- いつ・どこで・誰の診察に同席したか
- 医師(歯科医師)等に対して、こちらから提供した情報の内容
- 医師(歯科医師)等から提供を受けた情報の内容と、それをケアプランにどう反映したか
要件が「居宅サービス計画に記録した場合」となっているため、支援経過に書いて終わりではなく、ケアプラン側に記録が残っているかどうかが確認されるポイントになります。
ここまで読んでいただいて、結論は最初と同じです。僕はこれからも算定しないと思います。500円のために移動と待ち時間を差し出す判断が、一人居宅の経営としては成り立たないからです。
ただ、算定しないことと、医師と連携しないことは、まったく別の話です。家族に渡す文面を整えること、聞きたいことを冒頭に置いて照会すること、そして日頃から情報を渡す側に回っておくこと。加算がつかない部分に、実務のほとんどがあります。
算定率0.5%という数字は、ケアマネが医療から遠いことの証拠ではありません。要件が「同席」という一点に固定されているせいで、現に起きている連携が数字に乗っていないだけです。