転職・キャリア

主任ケアマネの要件とは?「専任5年」の数え方と、転職2回でも取れた僕の実例

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「主任ケアマネの要件、自分は満たしてるんだろうか」

調べ始めると、「専任として5年」「都道府県によって異なる」といった言葉が並んでいて、かえって不安になりませんか。パート期間はどうなるのか。管理者と兼務していた期間は数えていいのか。転職を挟んでいたら通算できるのか。制度の解説記事はたくさんあるのに、「実際に要件をクリアして受講した人」の話がほとんど見つからないんですよね。

僕は転職2回・複数の職場を渡り歩いたケアマネですが、雇われ時代に自分で申し込み、自費で主任介護支援専門員研修を修了しました(千葉県・2022年度)。現在はケアマネ歴11年、独立して単独型の居宅介護支援事業所を運営しています。

この記事では、制度上の要件を最新情報で整理したうえで、「専任5年」の数え方のリアルな疑問(パート・兼務・転職・施設)と、転職2回の僕がすんなり受講できた条件を、当事者として解説します。

先にお伝えしておくと、受講要件の最終判断は、お住まいの都道府県の実施要項で必ず確認してください。この記事は「全体像をつかんで、要項を読むときに迷わなくなる」ことをゴールにしています。

結論:主任ケアマネの要件は「専任5年」+研修修了【受講要件は4パターン】

まず結論からいきます。主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)になるための要件は、シンプルに言うとこの2つです。

①受講要件を満たして、②主任介護支援専門員研修(70時間)を修了する。これだけです。ケアマネ試験のような選抜試験はありません(ただし研修には課題提出や修了評価があります)。

ポイントは①の受講要件です。国の「介護支援専門員資質向上事業実施要綱」では、次の4パターンのいずれかに該当すればよいとされています。

主任介護支援専門員研修の受講要件(4パターン・いずれか1つ)

  1. 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60ヶ月)以上(管理者との兼務期間も算定可)
  2. ケアマネジメントリーダー養成研修修了者または日本ケアマネジメント学会認定の認定ケアマネジャーで、専任の介護支援専門員として通算3年(36ヶ月)以上
  3. 主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
  4. その他、介護支援専門員の業務に十分な知識と経験があり、都道府県が適当と認める者

とはいえ、②のケアマネジメントリーダー養成研修は平成14〜16年度に実施されていた研修で今はありませんし、③は包括に配置されている人限定です。つまり、居宅で働くほとんどのケアマネにとって、実質的な要件は①の「専任5年」一本だと考えてください。僕もこの①で受講しました。

加えて、専門研修課程Ⅰ・Ⅱ(または実務経験者対象の更新研修)を修了していることが前提として求められます。ここは普通にケアマネを5年続けてケアマネ証(介護支援専門員証)の更新をしていれば自然にクリアしているはずです。

「なんだ、5年働けばいいだけか」と思いましたよね。ところが、この「専任」の一語が曲者なんです。次で詳しく見ていきます。

「専任5年」の数え方Q&A|パート・兼務・転職・施設ケアマネはどうなる?

検索してこの記事にたどり着いた方の多くは、たぶんここが一番知りたいはずです。「自分の働き方は、5年にカウントされるのか」。よくある4つのケースをQ&A形式で整理します。

その前にひとつだけ。ここで言う「専任5年」は主任研修の受講要件の話で、ケアマネ試験の受験資格「5年900日」とは別のルールです(あちらは資格の登録日起算で、日数の条件もあります)。これから試験を受ける方や、後輩に受験資格を聞かれた方は、こちらで解説しています。

ケアマネ試験の実務経験「5年900日」の数え方|現制度なら受験できなかった僕が証明書のリアルまで解説

Q1. パート・非常勤の期間はカウントされる?

ここは正直に言うと、一番慎重に確認してほしいポイントです。「専任」とは常勤かつ専従のことを指すのが基本で、たとえば千葉県の実施要項では「専任=介護支援専門員として常勤専従」「常勤=就業規則等で定められた常勤の勤務時間数に達していること」と明確に定義されています。この定義に従うと、パート・非常勤の期間は原則カウントされません。

ただし、要件の細かい運用は都道府県ごとに差があります。ご自身の県の実施要項の用語定義を確認したうえで、判断に迷う働き方をしていた期間があるなら、県の担当課か研修実施機関に直接問い合わせるのが確実です。

Q2. 管理者と兼務していた期間は?

カウントされます。これは国の要綱に「管理者との兼務は期間として算定できる」と明記されているので、安心してください。

僕自身、雇われ時代に居宅の管理者を兼務していた期間がありますが、その期間も含めて実務経験を提出し、問題なく受講できました。正直に言うと、当時は「兼務期間が算定されるか」なんて意識もせずに提出して、すんなり通っています。要綱に明記されている以上、ここで引っかかることはまずありません。

ちなみに、管理者兼務そのものについては別記事で詳しく書いています。「兼務がきつい」と感じている方はこちらもどうぞ。

ケアマネと管理者の兼務はきつい?フル担当のまま管理者をやった僕の本音

一方で注意したいのは、ケアマネ以外の職種との兼務です。「専従」は介護支援専門員以外の職務に従事しないことを指すため、たとえばヘルパーや相談員と兼務していた期間は算定されない可能性があります。ここも県の要項と照らして確認してください。

Q3. 転職していても通算できる?

できます。要件は「通算して5年」なので、職場が変わっていても合算でOKです。

僕は転職2回・3つの職場(訪問介護併設2社・訪問看護併設1社)でケアマネをやってきましたが、複数の職場の期間を合算して5年の要件を満たしました。

ただし転職組には実務上のハードルがひとつあります。5年分に該当する職場すべてから「実務経験証明書」を集める必要があることです。証明書は法人の代表者等が作成するもので、退職した前の職場にも依頼することになります。ここが転職組にとって一番面倒な部分であり、僕の実体験でもあります。

僕の場合、集めたのは2社分(前の職場+当時の勤務先)です。前の職場には電話で事情を伝えて作成をお願いし、郵送で受け取りました。身構えていたわりに、全部揃うまで1〜2週間程度。拍子抜けするくらいスムーズでした。

ただ、これは前の職場と普通に連絡を取れる関係が残っていたからこその話です。証明書は法人の代表者等に作成してもらう書類なので、辞め方がこじれていると、この電話一本のハードルが一気に上がります。

Q4. 施設ケアマネの期間は?

カウントされます。算定対象は居宅介護支援だけでなく、介護保険施設(特養・老健・介護医療院)、地域包括支援センター、特定施設、グループホーム、小多機・看多機などでの介護支援専門員としての従事期間も含まれます。

ひとつ細かい注意点を。千葉県の要項には「要介護認定調査のみ、利用者や事業者との連絡調整のみ等の場合は、介護支援専門員の実務とはみなされない」という記載があります。つまり、ケアマネとして配置され、実際にケアプランを作成していた期間が対象です。肩書きだけケアマネで実務は別、という期間は数えられないと考えてください。

主任ケアマネの要件「専任5年」に自分の勤務期間が算定されるか判定するフローチャート。常勤専従と管理者兼務の期間は算定可、他職種兼務とパート・非常勤は都道府県への確認が必要

要件は県によって違う|申込前に確認すべき3点と千葉県の実例

主任研修の実施主体は都道府県です。国の要綱をベースにしつつ、各県が独自の要件を上乗せできる仕組みになっているため、「◯◯県では通ったのに△△県では通らない」ということが制度上あり得ます。

だからこそ、ネットの解説記事(この記事も含めてです)を読んだら、最後は必ずお住まいの県の最新の実施要項で確認してください。そのときに見るべきポイントは次の3点です。

確認①:県独自の受講要件・必須要件がないか

たとえば千葉県の場合、国の4パターンに加えて「千葉県内の介護保険事業所等で現に従事していること」「介護支援専門員証の登録地が千葉県であること」「研修全日程を受講できること」などの必須要件が定められています。また、事例の提出が申込時に必須になる(千葉県は令和7年度から)など、年度によって運用が変わることもあります。

確認②:申込時期と申込先

年1回しか実施されない県が多く、申込期間は意外と短いです。千葉県の令和8年度は募集が6月1日〜30日の1ヶ月間だけでした。しかも申込先は研修実施機関ではなく勤務先のある市町村の担当課へ郵送という独特のルートです。この時期を逃すと丸1年待ちになるので、受講したい年の春には要項をチェックしておくことをおすすめします。

確認③:費用と形式

費用も県によって違います。千葉県の令和8年度は研修費用57,400円(受講料53,000円+テキスト4,400円)です。安くはないですよね。

ここでひとつ、知らない人が多いお得情報を。主任研修は国の教育訓練給付制度(特定一般教育訓練)の指定講座になっている県があり、対象者はハローワークへの申請で受講費用の一部が研修修了後に支給されます。千葉県・神奈川県・静岡県などで指定を確認できました。受講開始前にハローワークでの手続きが必要なので、申し込むと決めたら早めに動いてください。

僕の実例:千葉県・2022年度・雇われ時代に自費で受講

参考までに、僕のケースを書いておきます。

  • 申込:雇われ時代に、会社経由ではなく自分で申し込みました(自己申請)。「会社が手続きしてくれるもの」と思っている方もいますが、少なくとも僕の場合は書類集めから申込まで全部自分です
  • 費用:自費です。当時で5万円前後だったと記憶しています(令和8年度の千葉県は上記のとおり57,400円)
  • 形式:ほぼオンライン(Zoom)でした。現在の千葉県も、講義は動画配信(e-ラーニング)+演習はZoomが基本で、会場参集はごく少人数の別コースという構成です

「会社が出してくれないなら諦めるか」と思った方、ちょっと待ってください。自費でも取る価値があるかどうかは、この後の章で僕なりの答えを書きます。

転職2回の僕が、要件ですんなり受講できた3つの条件

正直に言うと、僕は受講要件の面でつまずいた記憶がほとんどありません。「大変だったこと」を捏造して書いても仕方ないので、逆に「なぜ無風だったのか」を分解してみます。これから目指す方は、この条件を逆算して整えておけば、僕と同じようにすんなり通れるはずです。

条件①:ずっと「常勤専従(+管理者兼務)」で働いていた

僕のキャリアは、3つの職場すべてで常勤専従のケアマネ(一部期間は管理者兼務)でした。つまり「専任」の定義を外れる期間が1日もなかった。パートや他職種兼務の期間があると、そこで算定の確認や説明が必要になりますが、僕にはその論点自体が発生しませんでした。

条件②:転職していても「期間の証明」が取れる関係を残していた

転職組の唯一のハードルは前述の実務経験証明書です。僕は複数の職場から証明書を集めましたが、集められたのは、どの職場とも揉めて辞めたわけではなかったからです。円満退職は、こういう何年も後のタイミングで効いてきます。将来主任を取る可能性が少しでもあるなら、辞め方は雑にしないほうがいい。これは転職経験者として本気のアドバイスです。

条件③:ケアマネ証の更新と専門研修Ⅰ・Ⅱを普通にこなしていた

受講の前提となる専門研修課程Ⅰ・Ⅱ(または更新研修)は、ケアマネ証の更新を普通にやっていれば修了しているものです。僕も特別なことは何もしていません。逆に言うと、ケアマネ証の更新が切れかけている・失効している状態だと主任どころではなくなるので、まず足元のケアマネ証の管理からです。

まとめると、僕が無風だったのは運ではなく、「専任の定義を外れない働き方」「円満な辞め方」「ケアマネ証の管理」という3つの土台が揃っていたからです。どれも特別な努力ではなく、日々の働き方の積み重ねでした。

研修70時間のリアルと、取った後の「更新」の話

研修は70時間。働きながら数ヶ月かけて受ける

主任研修のカリキュラムは国の要綱で70時間と定められています。内訳はざっくり、講義が16時間、講義+演習が54時間。スーパービジョン(対人援助者監督指導)と事例を通じた指導・支援の演習が中心で、この2科目だけで42時間あります。「ケアマネとしての知識」ではなく「他のケアマネを指導・支援する技術」を学ぶ研修だということが、時間配分からも分かると思います。

千葉県の令和8年度の日程を見ると、9月から12月まで約4ヶ月にわたって、講義動画の視聴期間と演習日(半日×複数回)が組まれています。欠席・遅刻・早退は認められず、事前課題・事後課題・事例の提出もあります。担当利用者を抱えながら、数ヶ月間これを並走させるのが受講のリアルです。

僕の体感を正直に言うと、「きつい」ではなく「面倒」でした。担当35件前後+管理者兼務のまま受講しましたが、追い詰められた記憶はありません。課題を勤務時間内に進められる日もあれば、休日に資料を作った日もある。そんな波のある数ヶ月でした。

ただし、これには大前提があります。職場の理解があったことです。課題を勤務時間内に進めることも、演習日に勤務中のままZoomで受講させてもらうことも、職場に話が通ったうえでのことでした。もしこれを全部、業務後と休日だけでやっていたら、体感はまったく違ったはずです。

そもそも申込時には所属事業所の推薦書が必要(千葉県の場合)で、職場に隠れて受講することは構造的にできません。だったら申し込む前に「数ヶ月間、演習日と課題で時間の融通をお願いしたい」と具体的に話を通しておく。修了した今振り返ると、これが両立の一番の攻略法です。

主任には「5年の有効期間」がある

もうひとつ、取る前に知っておいてほしいのが更新の話です。主任ケアマネの資格には修了日から5年間の有効期間があり、更新するには主任介護支援専門員更新研修(46時間)の修了が必要です。しかも更新研修には「法定外研修に年4回以上参加」などの独自の受講要件があり、取った後も学び続けることが前提の資格になっています。

僕の修了証明書にも有効期間満了日が記載されていて、期限管理は完全に自己責任です。うっかり失効すると、再度70時間の主任研修からやり直しになります。

なお、ケアマネ資格の更新制については国が廃止の方針を示していますが、詳細は確定しておらず、法定研修は現行どおり実施されています(千葉県の令和8年度開催案内にも明記あり)。このあたりの最新動向は別記事で追いかけています。

ケアマネ更新制廃止はいつから?法定研修を受け続けてきた主任ケアマネが『意味のある研修・ない研修』を本音で仕分けます

主任ケアマネを取るべき人と、動くタイミング

最後に、「要件は満たせそうだけど、そもそも取るべきなのか」という一段深い問いに、当事者として答えます。

先に言っておくと、僕は「全員取るべき」とは思っていません。取っても給料が劇的に上がるわけではないですし、「主任っていらなくない?」という本音も業界には根強くあります。そのあたりを正面から書いた記事があるので、迷っている方はまずこちらを読んでみてください。

主任ケアマネはいらない?3年間取って働いた僕の結論

そのうえで、僕が「取るべき」と考えるのは次のような人です。

  • いずれ独立を視野に入れている人。居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネであることが原則要件です。つまり、自分の事業所を持ちたいなら主任はほぼ必須の資格になります。僕が独立できたのも主任を取っていたからです
  • 特定事業所加算を算定する事業所でキャリアを作りたい人。主任の配置は加算要件に絡むため、事業所内での立ち位置と処遇交渉の材料になります
  • 「教える側」の仕事に手応えを感じている人。研修の中身はスーパービジョンと指導技術が中心です。新人のフォローや事例検討が嫌いじゃない人には、投資価値があります

タイミングについては、「専任5年」が見えてきた4年目あたりから準備を始めるのがおすすめです。理由は2つ。募集が年1回・1ヶ月程度しかないこと、そして転職組は証明書集めに時間がかかることです。要件を満たした年にすぐ動けるよう、前の年から要項のチェックと書類の段取りをしておくと無駄がありません。

僕自身の動機は、「キャリアアップ」と「独立を視野に入れていたこと」の両方でした。いずれ自分の事業所を持つ選択肢が頭にあった以上、管理者要件である主任は先に取っておきたかった。だから会社に費用を相談する発想もなく、迷わず自費です。理由はシンプルで、会社のためではなく、自分の資格だから。それだけでした。

準備のタイミングも、僕の実感値は前述の「4年目から」です。要件を満たす1年前から要項と書類の段取りを見ておけば、募集の1ヶ月を慌てずに迎えられます。

それからもうひとつ。主任を取るなら、「主任手当が出る職場か」「主任としての役割を任せてもらえる職場か」は先に確認しておくべきです。せっかく自費で5万円超と数ヶ月の労力をかけて取っても、評価されない職場では宝の持ち腐れになります。給料の実態はこちらの記事に実額ベースで書きました。

主任ケアマネの年収はいくら?数字がバラバラな理由と、雇われ・独立の両方を経験した僕の実額

もし今の職場が「取っても評価しない・受講に協力的でもない」なら、主任取得を機に環境を変えるのも現実的な選択肢です。主任ケアマネ(あるいは取得見込み)は転職市場ではっきり強いカードになります。エージェントに登録して「主任を取ったら・取る予定だが、評価してくれる職場はあるか」と情報収集だけしておくのも、動き方のひとつです。

主任ケアマネを評価してくれる職場を探すなら

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要件を満たして主任を取ったら、次に考えるのは「取った後どうするか」です。転職・独立・現状維持、3つの選択肢を全部経験した僕の答えはこちらにまとめています。

主任ケアマネを取った後どうする?転職・独立・現状維持、3つの選択肢を全部経験した僕が解説

あなたのキャリアの参考になれば嬉しいです ^^

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