働き方のリアル 独立・開業 転職・キャリア

訪問介護併設・訪問看護併設・独立、ケアマネ3つの職場で気づいたこと

「自分の職場、この職場でいいのかな…」

ケアマネとして働いていると、ふとそんな気持ちになることはありませんか?

隣の芝生が青く見えているのか、それとも本当に今の環境が合っていないのか。でも他の職場を経験したことがないから、比べようがない。

僕はケアマネになってから、訪問介護併設・訪問看護併設・そして独立して単独型居宅と、3つの職場形態をすべて経験してきました。

この記事では、それぞれの職場で感じたリアルな違いを、包み隠さず話しています。「どこが一番いいか」という答えは出せません。でも、今悩んでいる「自分に合う職場はどこか」を考えるヒントにはなると思います。

転職を考えている方にも、独立を迷っている方にも、何か参考になれば嬉しいです。

訪問介護併設で働いていた頃

ケアマネになって最初に勤めたのが、訪問介護事業所を併設している居宅介護支援事業所でした。

同じ建物の中に訪問介護のスタッフがいて、フロアを共有しながら仕事をしていました。

良かったこと:連携のスピードが違う

併設の一番の強みは、連携の速さです。

「○○さん、最近食欲が落ちているみたいで」という共有をきっかけに、その場にいたヘルパーさんが「昨日の様子だとこうでした」と返してくれる。情報が自然と集まってくる環境は、ケアマネとして本当に助かりました。

サービス担当者会議の調整も楽でした。本来、開催の日程調整には時間がかかります。でも訪問介護のスタッフを呼ぶのに、電話一本も必要なく「ちょっといいですか」ですぐに調整ができる。利用者さんへの対応スピードが、単独型とは明らかに違いました。

モヤモヤしたこと:ケアマネの中立性が揺らぐ瞬間

でも、働いていくうちに違和感も出てきました。

利用者さんに合ったサービスを選びたい。でもケースによっては「自分のところの訪問介護を使ってほしい」という空気が、じわじわと伝わってくることがありました。

反対に、明らかに受けたくないケースなんかは「ほかで見てもらったほうが良いかも…」とあからさまな態度のときもありました。

ケアマネは公正中立にサービスを選ぶのが仕事です。でも同じ法人の中にいると、その「中立」を保つのが難しいと感じる場面も正直ありました。

これが正しいのか間違っているのか、当時の僕にはうまく言語化できなかったけれど、今思えばあのモヤモヤは「ケアマネとして大事なことに気づいていたサイン」だったと思います。

たとえば、併設事業所で受けてもらえなかったケースは「要支援」や「生活援助」の利用者さんです。理由はシンプルで、売上が低いから受けたくないんですよね。

そんなときは、他の事業所にお願いする相談をするんですが、相手からすると「あなたの事業所も訪問介護ありますよね?どうしてやらないんですか?」と直接言われてはいませんが、そう聞こえてきました(笑)。

訪問看護併設で働いていた頃

次に移ったのが、訪問看護ステーションを併設している事業所でした。

訪問介護併設とはまた違う空気がありました。医療職が近くにいる環境は、ケアマネとして新鮮でもあり、最初は少し緊張感もありました。

良かったこと:訪問看護事業所の動きが理解できた

訪問看護併設の一番の強みは、医療との距離感です。

ターミナルの利用者さんを担当するとき、看護師がすぐそこにいるというのは、ケアマネとして大きな安心感でした。「この状態、どう見ますか」と気軽に聞ける環境は、単独型では得られないものです。

在宅医との連携も、看護師が橋渡しをしてくれるので、スムーズに進むことが多かった。医療依存度の高い利用者さんを担当するケアマネにとっては、これ以上なく安心できる環境だと思います。

僕が働いていた職場は特に連携の取りやすい事業所でした。

医療に関してわからないことを、看護師、PT、OTのみなさんが親切に教えてくれたんです。

医療に関することだけでなく、支援のスケジュールについても「この段取りはスムーズ」「この段取りは良くない」など医療サービス特有の動きを知ることができました。

モヤモヤしたこと:看護師との力関係

一方で、医療職が強い環境ならではのモヤモヤもありました。

看護師さんは専門職としての自負が強い。それは当然のことだし、尊重したい。でもケアプランの方向性を話し合うとき、「看護師特有の看護観」という空気が生まれることがありました。

ケアマネはあくまで生活全体を見る調整役です。医療の視点も大事だけど、本人の希望や生活の質を中心に置くのがケアマネの仕事。その軸がぶれそうになる瞬間が、正直、何度かありました。

この頃から、「自分がケアマネとして本当にやりたいことは何か」を考えるようになりました。誰かの事業方針や職場の空気に左右されず、自分の判断でケアプランを作りたい。その気持ちが、少しずつ強くなっていきました。

「今の職場が合わない」と感じたとき、転職という選択肢を一度だけ真剣に考えてみてほしいと思います。僕が転職を経験して感じたことを、別の記事で正直に書きました。

ケアマネを辞めたいと思った僕が、最終的に転職した理由を読む

独立・単独型居宅になって気づいたこと

訪問看護併設での経験を経て、僕は最終的に独立という道を選びました。

法人を設立して、一人で居宅介護支援事業所を立ち上げる。誰かの事業方針に縛られず、自分の判断でケアマネの仕事をする。それが独立の一番の動機でした。

独立して変わったこと:裁量と責任が全部自分に来る

独立してまず感じたのは、「自由と責任はセットだ」ということです。

サービスを選ぶとき、もう誰かの空気を読まなくていい。利用者さんに本当に合ったサービスを、純粋に自分の判断で選べる。これは併設時代には得られなかった感覚で、ケアマネとしての仕事のやりがいが明らかに変わりました。

一方で、困ったことがあっても気軽に聞ける同僚がいない。判断に迷ったとき、全部自分で決めなければいけない。その重さは、独立してから初めて実感したものでした。

たとえば、生活保護の申請をサポートする。障害者手帳の申請について病院や役所と連絡を取る。緊急の訪問をお願いされたから安否確認に行く。こういったことはケアマネジャーの仕事ではありません。

こういったことを僕は独立してから一貫して断っています。

その時に言われるのが決まってこれです。「他のケアマネさんはやってくれるのに」

ほとんどのケアマネがやっているのに、僕はやっていない。間違っていないのに断ったときに空気が少し重いんです。

それでも間違っていないと信じて仕事をしています。

独立して初めてわかった、併設のありがたみ

独立してから、併設時代を振り返ると見え方が変わりました。

当時はモヤモヤしていた「併設の空気」も、今思えば利用者さんへの対応スピードや情報共有という面では、本当に恵まれた環境でした。隣に相談できる人がいることの安心感は、なくなって初めてわかるものです。

「あの環境が窮屈だった」という気持ちは本物だったけれど、「あの環境が支えてくれていた部分もあった」というのも、同じくらい本音です。

たとえば、訪問介護のサービスを増やしたい。そんな利用者がいる時、併設事業所であれば、その場で理由と回数、曜日、時間を打診できるんですよね。

こういった、ちょっとした相談ができるのは併設事業所のありがたいところのひとつです。

どちらが正解かではなく、自分が何を大切にしたいかで、答えは変わってくるんだと思います。

独立という選択肢が頭をよぎっている方は、まず何が必要かを知るところから始めてみてください。僕が独立するまでにぶつかったことを、一つひとつ整理した記事があります。

ケアマネが独立するために必要なこと【完全ガイド】を読む

3つを経験して見えた「自分に合う職場」の選び方

訪問介護併設、訪問看護併設、そして独立。3つの職場形態を経験して、僕なりに見えてきたことがあります。

それは、「どの形態が優れているか」ではなく、「自分が何を優先したいか」で答えが変わる、ということです。

もし今、職場選びや働き方に迷っているなら、次の4つの問いを自分に投げかけてみてください。

問い①:連携のしやすさと、中立性。どちらを優先したいか

併設の環境は、情報共有のスピードも会議調整の楽さも、単独型にはない強みがあります。その代わり、法人としての事業方針とケアマネ個人としての中立性が、時々ぶつかります。

この摩擦をどこまで受け入れられるか。それとも、多少連携が不便でも、完全に中立な立場を守りたいか。ここが最初の分かれ道です。

問い②:相談できる環境と、裁量の広さ。どちらを優先したいか

併設には、困ったときに隣で相談できる同僚がいます。独立には、誰にも縛られない裁量がありますが、その分、判断の重さもすべて自分に返ってきます。

心強さを取るか、自由を取るか。これは実際に環境が変わってみないと、本当の重みが分からない部分でもあります。

問い③:今の職場の「モヤモヤ」は、環境のせいか、それとも合っていないだけか

ここが一番大事な問いです。

今の職場に感じている違和感は、他の形態に変えれば解消するものなのか。それとも、どの形態に行っても付いてくるものなのか。

僕自身、3つの形態を経験して初めて、「これは環境の問題だった」「これはどこに行っても変わらない、ケアマネという仕事そのものの難しさだった」を切り分けられるようになりました。

問い④:不公正を、これからも受け入れ続けるか

法律のグレーゾーンについては、波風を立てたくない会社、上司はやっぱり、ケアマネがガマンすることを選びます。

僕はケアマネが割りを食うような働き方をするのが許せませんでした。それも独立を選んだ一つの理由です。

まとめ:正解はない、でも選択肢を知っているかどうかでチャンスが広がる

訪問介護併設、訪問看護併設、独立。それぞれに良さがあり、それぞれにモヤモヤもありました。

どれが正解ということはありません。ただ、選択肢を知らないまま今の環境に留まり続けるのと、知った上で今の環境を選ぶのとでは、同じ場所にいても見える景色が違うと思います。

もし今、環境を変えることを考えているなら、転職という選択肢も、独立という選択肢も、それぞれ僕自身の経験を記事にしています。よければ参考にしてください。

環境を変えるなら、まず情報を集めることから。

ケアマネを辞めたいと思った僕が、最終的に転職した理由を読む

自分の裁量で働きたいと思うなら、独立という道も。

ケアマネが独立するために必要なこと【完全ガイド】を読む

-働き方のリアル, 独立・開業, 転職・キャリア