実務・ノウハウ系

入院時情報連携加算、このケースで取れる?|土日入院・月またぎのグレーゾーンと、算定を見送るとき

利用者さんが入院した。病院に連携シートを送った。ここまでは、体が覚えている段取りです。

ところが請求の場面になると、手が止まる瞬間があります。土曜に入院したこのケースは(I)でいいのか。月末の入院で、シートを交付したのは翌月1日。どっちの月のレセプトに乗せるのか。

僕は関東で一人の居宅介護支援事業所をやっている主任ケアマネです。約60人を担当していて、入院は年に3〜5件。3ヶ月に1回あるかないかのペースだからこそ、毎回「あれ、どっちだったかな」になりやすい加算だと思っています。

この記事では、入院時情報連携加算の要件と数え方を整理したうえで、土日・連休・月またぎのグレーゾーン、FAXで送るときの落とし穴、そして僕が算定を見送るときの話までまとめます。

結論:ほぼ(I)で算定している|当日中のFAXが、そのまま算定根拠になる

先に僕のやり方を書いておきます。

入院の連絡が入ったら、基本はその日のうちに連携シートを入院先へFAXで送る。営業終了後に連絡が来たら翌日中。この考え方をしているので、算定はほぼ入院時情報連携加算(I)です。

金額にすると、(I)は250単位。僕の地域単価は10.42円なので、1件あたり2,605円。年3〜5件ですから、年間にすれば1万円前後です。大きな金額ではありません。

僕がすぐ動く理由は、正直に言えば2つです。ひとつは、当日中に送れば(I)の250単位で算定できるから。もうひとつは、この仕事を30分で終わらせれば、30分で2,605円という時間単価になるから。総額では小さい加算でも、1件を30分で片づける仕事として見ると、悪くない単価です。だから入院の連絡が入ったら、他の書類より先にシートを送ります。

入院当日に何をどう送るかの段取りは、別の記事に全部書きました。この記事は「その動きを請求にどう乗せるか」の側です。

要件の整理|2024年改定で「3日以内」から「当日中」に変わった

2024年(令和6年)4月の介護報酬改定で、この加算は期限が短くなり、単位数が上がりました。

  • 入院時情報連携加算(I):250単位/月——利用者が病院・診療所に入院した日のうちに、病院の職員へ必要な情報を提供していること。入院日より前の情報提供も含みます。営業時間終了後、または営業日以外の日に入院した場合は、入院日の翌日まで含まれます。
  • 入院時情報連携加算(II):200単位/月——入院した日の翌日または翌々日に情報を提供していること。営業時間終了後に入院した場合で、入院日から数えて3日目が営業日でないときは、その翌日まで含まれます。

改定前は(I)が「入院から3日以内・200単位」、(II)が「4日以上7日以内・100単位」でした。つまり、早く送ることへの評価が上がり、のんびりした情報提供は評価されなくなった、という改定です。

入院時情報連携加算の改定前後の比較図。改定前は(I)入院から3日以内200単位・(II)4日以上7日以内100単位。改定後(2024年4月から)は(I)入院した日のうちに250単位・(II)翌日又は翌々日200単位。期限は短く、単位は高く変更された。

押さえておく共通ルールは2つです。(I)と(II)は併算定できないこと。そして、利用者1人につき1月に1回が上限であること。

送る中身は、入院日、心身の状況(疾患や病歴、認知症の有無など)、生活環境(家族構成や介護の状況)、サービスの利用状況といったところです。僕は県が出している入退院連携の様式を使っています。様式は自治体ごとに違うので、「お住まいの県名+入退院連携+様式」で検索すると出てくるはずです。

ちなみに、入院をはさんで2ヶ月以上空いてから支援を再開したケースでは、初回加算という別の加算が関わってきます。こちらは要件がまったく別物なので、詳しくはこの記事にまとめました。

▶ケアマネの初回加算、このケースで取れる?|3パターンの要件と、入院・事業所変更のグレーゾーン整理

土日・連休をはさんだら、何日目までに送ればいいのか

制度の要件通りにいかないケースは頭を悩ませます。「金曜の夜に入院の連絡が来て、送ったのは週明け。これは(I)だったか(II)だったか」。この記事を書くにあたって、告示の但し書きとQ&Aを読み直しています。

基本形は3つに整理できます。事業所の営業日が平日(月〜金)の場合で書きます。

  • 火曜の日中に入院——当日中に送れば(I)。水曜・木曜なら(II)。いちばん素直な形です。
  • 金曜の営業終了後に入院——「営業時間終了後の入院は入院日の翌日を含む」の但し書きが効いて、土曜までに送れば(I)です。
  • 土曜(営業日以外)に入院——同じ但し書きの「営業日以外の日に入院した場合」にあたるので、日曜までに送れば(I)。週明けの月曜に送った場合は、翌々日なので(II)になります。

入院時情報連携加算の土日をはさむ数え方3パターンの図。火曜の日中に入院なら当日が(I)・水木が(II)。金曜の営業終了後に入院なら土曜まで(I)。土曜(営業日以外)に入院なら日曜まで(I)・月曜は(II)。

問題は、三連休のような複雑な並びです。(II)の但し書きは「営業時間終了後に入院した場合であって、3日目が営業日でない場合」という限定つきの書き方をしていて、休業日入院との組み合わせをどう読むかは、条文だけでは判断が割れます。

厚労省のQ&A(令和6年3月・問119)に、入院したタイミング別の数え方を図で示したものがあるので、迷う並びに当たったらこの図と照らすのが確実です。それでも読み切れないケースは、僕は保険者に聞いてしまうのが早いと思っています。実際、僕も三連休の初日に入院の連絡が来たことがあります。このときは連休明けの営業日、その日のうちに交付しました。

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」(令和6年3月15日)(問118・問119。ページ内検索:入院時情報連携加算)

月をまたいだら、どっちの月に乗せるのか|31日入院・翌月1日交付の実例

実際にあったケースです。31日の日曜に入院の連絡が入りました。その月はサービス利用があります。連携シートを交付できたのは翌月1日の月曜。さて、この加算はどっちの月のレセプトに乗るのか。

答えは、入院した月です。僕は31日が属する月の給付管理に乗せて算定します。

根拠になるQ&Aがあります。平成21年4月改定のQ&A(Vol.1)問64で、「居宅サービス計画に基づいて介護保険サービスを利用した翌月の10日(前月の請求日)までに情報提供を行った場合に限り、算定可能」と示されています。サービスを利用した月の請求日である翌月10日までに送っていれば、その利用月の分として算定できる、という建付けです。

この建付けから、逆のパターンも整理できます。入院が長引いて、翌月がまるまる入院・サービス利用なしになった場合。その月は居宅介護支援費そのものが立たないので、翌月分としてこの加算だけを算定することはできません。この加算は基本報酬に乗せる加算であって、単独では請求できない。ここを押さえておくと、月またぎで迷わなくなります。

出典:厚生労働省「(適用要件一覧)居宅介護支援費」(平成21年Q&A問64・平成30年Q&A問139を収載。ページ内検索:入院時情報連携加算。※改定前の単位数で記載されたページのため、Q&A原文の確認用としてどうぞ)

FAXで送っていい。ただし「送りっぱなし」では足りなかった

提供の方法は、面談でもFAXでも構いません。実際、送り先の病院はいまもFAXが主流です。僕も基本はFAXで送っています。

記録のルールはこうです。情報提供を行った日時、場所(病院に出向いた場合)、提供した内容、提供手段を、支援経過などの居宅サービス計画等に残すこと。いつ、どこの誰に、何を、どうやって送ったか。ここまでは僕もずっとやってきました。

問題はその先です。僕は、受け取った側の担当者名を返信してもらうのは「もらえたらありがたい」くらいの任意の運用だと思っていました。調べたら、違いました。

平成30年度のQ&A(問139)に、FAXやメールなど口頭のやり取りがない方法で送った場合の扱いが示されています。送信できたことの確認だけでは足りず、先方が受け取ったことを確認し、確認したことまで記録しておかなければならない、という内容です。送りっぱなしのFAX1枚では、要件として守り切れない可能性がある。

とはいえ、僕の実務が大きく変わるわけではありませんでした。もともと連携シートには、受領されたら署名のうえ返送してほしい旨を書き添えて送っているからです。署名入りのシートが戻ってくれば、先方が受け取ったことの確認と、その証拠の書面が一度に手元に残ります。口頭で確認するより確実な形が、先に型になっていました。

そもそも入院当日に何を確認して、シートをどう30分で送るか。その段取りはこちらの記事に全部書いています。

▶利用者が入院したらケアマネは何をする?連携シートを「当日30分」で送る僕の段取りを全部話します

算定を見送るとき|入院の連絡が、5日後に来る

取れるものはちゃんと算定する。そのうえで、見送るケースもあります。いちばん多いのが、入院の連絡そのものが遅れて届くパターンです。

意外に思われるかもしれませんが、しっかりした利用者さんやご家族ほど、入院したらまず自分でデイサービスやヘルパー事業所に「しばらく休みます」と連絡を入れます。各事業所への連絡が済んで、ケアマネに伝わるのは最後。気づけば入院から5日経っていた、ということが実際にあります。

この場合、(I)の当日中はもちろん、(II)の翌々日も過ぎています。だから算定は見送り。情報提供そのものは、遅れてでも必要ならやります。正直に言うと、加算にならないのに同じ仕事をするのは嫌です。でも、期限に届かなかった以上は仕方ない。割り切って送ります。

もうひとつ、区分の判断を間違えていたことに後から気づくケース。たとえば(I)で請求していたが、数え直したら(II)だった。このときは過誤調整という正規の手続きで、いったん取り下げて正しい区分で請求し直せます。個別のケースは本当に複雑なことがあるので、間違い自体をゼロにはできないと僕は思っています。大事なのは、故意に盛らないことと、気づいた時点で正しい形に直すこと。運営指導は、その答え合わせの場だと考えています。

期限に届かず見送るのとは別に、そもそも要件を満たしにいかないと決めている加算もあります。通院時情報連携加算は、僕が5年間ゼロで通しているほうの加算です。

▶通院時情報連携加算を5年取っていない理由|算定率0.5%は、連携していない証拠じゃない

送ったあと、病院とどう関わるか|反応は9割、カンファは原則出ない

連携シートを送ると、病院側から何かしらの反応があるのが体感9割です。電話だったり、FAXの返信だったり。反応がなくても、ご家族との連絡で入院中の様子が追えていれば、それで足りる場合もあります。

その後の病院とのやり取りは、現状の確認、退院後のサービスの相談、退院時のサマリーの依頼。このあたりまでが僕の通常の範囲です。

一方で、退院カンファレンスには原則参加していません。病院までの往復と待ち時間のコストが、得られる情報に見合わないことが多いからです。代わりにオンラインでの開催を病院に相談して、実際にオンラインで参加できたこともあります。このあたりの考え方は、退院対応の記事に書きました。

▶ケアマネの退院対応の流れ|カンファに出ない退院は珍しくない【独立3年目の実録】

まとめ|数え方さえ押さえれば、迷わない加算

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • (I)は250単位・入院した日のうちに提供。営業時間外や休業日の入院は翌日まで含む
  • (II)は200単位・翌日または翌々日。連休が絡む複雑な並びは厚労省Q&Aの図と保険者確認
  • 月またぎは「サービス利用月の翌月10日まで」に送っていれば、利用月の分として算定できる。サービス利用のない月には乗せられない
  • FAXで送るなら、届いたことの確認と、確認した旨の記録まで。送りっぱなしにしない
  • 連絡が遅れて期限を過ぎたら見送る。加算にならなくても、必要な情報提供は割り切ってやる

入院は年に数回しか起きないからこそ、毎回ゼロから思い出すことになりがちです。当日中に送るという動き方を型にしてしまえば、区分で迷うのは連休と月またぎのときだけ。そのときはこの記事に戻ってきてもらえたら、それで十分です。

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