ケアマネ試験の勉強、何から手をつけるか迷いますよね。書店に行けば対策本がずらりと並んでいて、通信講座の広告も目に入ってくる。全部やる時間はないのに、どれかに絞る決め手もない。
僕は2014年の試験を、過去問集と一問一答の2冊だけで一発合格しました。勉強期間は約半年、1日1〜2時間。仕事と子育てを続けながらで、勉強しない日もありました。
この記事では、そのやり方をそのまま書きます。試験まで残り1ヶ月という方は、先に「残り1ヶ月で間に合うか」の章へ飛んでください。結論だけ先に書くと、1日3〜5時間を確保できるなら、まだ勝負になるというのが僕の見立てです。
この記事でわかること
- 教材を2冊に絞った理由
- 勉強法3ステップ(過去問の回し方と一問一答の使い方)
- いつから始めて、1日どれくらいやったか
- 残り1ヶ月からの追い込み方
- 合格率の乱高下と、2分野それぞれにある合格基準の見方
- 受かる人と落ちる人の差はどこにあるか
教材は2冊だけ。過去問集と一問一答
最初に結論です。使った教材は、中央法規の過去問集と一問一答。この2冊だけでした。
最初からそう決めていたわけではありません。書店で対策本を前に、どれがいいのか分からず立ち尽くす時期がありました。分厚いテキスト、要点整理、予想問題集。全部が必要に見えて、どれも決め手に欠ける。
その中で中央法規に手が伸びたのは、介護福祉士の受験対策書を数多く出している出版社だったからです。介護関係の試験なら中央法規が合っているだろう、というくらいの選び方でしたが、結果的にこれで足りました。
迷った末に、過去問集と一問一答の2冊に絞りました。理由は単純で、この試験は覚えた量がそのまま点に直結するタイプの試験だからです。論述も計算もなく、全60問がマークシート。問われるのは、制度の要件や数字を正確に覚えているかどうかです。
2冊で足りるのか、と不安になる気持ちは分かります。ただ、少ない教材を繰り返すほうが、多くの教材を1回ずつやるより確実に定着します。教材を増やすことは、安心を買っているだけです。
勉強法は3ステップ。最初の1周は「できなくて当たり前」
ステップ1:まず過去問を1周して、現在地を知る
テキストを読み終えてから問題を解く、という順番にはしませんでした。いきなり過去問から始めます。
当然、1周目はほとんど解けません。それでいいんです。この1周の目的は点を取ることではなく、「どんな聞かれ方をするのか」「自分は何を知らないのか」の肌感をつかむことだからです。できなくて当たり前、と最初に決めておくと、解けないことに落ち込む時間がなくなります。
ステップ2:まとまった時間が取れる日は過去問。すぐ答えを見て、書いて、声に出す
1時間以上のまとまった時間が取れる日は、過去問にあてました。回し方はこうです。
- 解けない問題は粘らない。すぐ答えを見て覚える
- できなかった問題にはチェックを付ける
- 答えはノートに書く。手を動かすと覚えが違います
- 間違えたところは、声に出して復唱する
復唱は、たとえばこんな感じです。「地域包括支援センターには主任ケアマネ・社会福祉士・保健師が必要!」。声に出すのは少し恥ずかしいですが、目で読むだけより記憶に残りました。
ステップ3:すきま時間は一問一答。トータルで約5周
仕事の休憩や子育ての合間のような細切れの時間は、一問一答にあてました。1問が短いので、5分でも10分でも前に進みます。まとまった時間は過去問、すきま時間は一問一答。この使い分けで、机に向かえない日でも勉強がゼロにならずに済みました。
一問一答は、試験までにトータルで約5周しました。

いつから始めて、1日どれくらいやったか
始めたのは試験の約半年前。1日の勉強時間は1〜2時間で、勉強しない日もありました。
よく言われる目安も「半年前後」なので、特別なやり方ではありません。長時間の勉強や強い集中力で受かったわけではなく、教材を2冊に絞って、半年かけて繰り返しただけです。逆に言えば、1日1〜2時間しか取れなくても、早めに始めて繰り返せば届く試験だということです。
コラム:僕が受験できたのは、旧受験資格の時代だったから
ひとつ正直に書いておきます。受験した2014年当時は、受験資格の仕組みが今と違いました。現在の制度(実務経験5年かつ900日以上)を当時の経歴に当てはめると、僕はあの年に受験できていません。
勉強法そのものは今も変わらず使えますが、受験資格については現行制度で確認してください。数え方の詳細はこちらの記事にまとめています。
▶ ケアマネ試験の実務経験「5年900日」の数え方|現制度なら受験できなかった僕が証明書のリアルまで解説
残り1ヶ月で間に合うか
試験直前にこのページへ来た方へ。1日3〜5時間を確保できるなら、まだ勝負になるというのが僕の見立てです。
根拠は、この試験が暗記型だからです。理解を何段も積み上げる試験なら1ヶ月では厳しいですが、覚えた量が点に直結する試験は、直前の詰め込みが効きます。もちろん保証はできませんし、確保できる時間や覚えることへの得意不得意で変わります。それでも「もう無理だ」と受験をやめる判断だけは、まだ早いと思います。
やることは半年前から始める場合と同じで、過去問と一問一答の繰り返しです。違いは配分だけ。現在地把握の1周を数日で終わらせて、あとはチェックの付いた「できなかった問題」だけを回します。全部を均等にやり直す時間はないので、できる問題は捨てて構いません。
ひとつだけ注意があります。直前に新しい教材を買わないでください。新しい問題集は初めて見る問題だらけなので、当然間違いが増えます。試験前日に間違いの山を見ると、実力が落ちたわけでもないのに焦りだけが積み上がります。仕上げは、使い慣れた過去問でやってください。
合格率と合格基準の正しい見方
数字も確認しておきます。ここを正しく見ておくと、直前期の不安がかなり減ります。
合格率は年によって大きく動く
直近の合格率は、第27回(2024年10月実施)が32.1%、第28回(2025年10月実施)が25.6%でした。その前の2年は21.0%、19.0%です。1年で6ポイント以上動いているのが分かると思います。
つまり合格率は、問題の難しさや受験者の顔ぶれで毎年大きく揺れる数字です。「今年は上がった年だから簡単」「下がった年だから無理」と読むための数字ではありません。自分がコントロールできるのは目の前の過去問だけなので、合格率に一喜一憂する時間はまるごと勉強に回したほうが得です。
合格基準は「2分野それぞれ」にある
それより大事なのが合格基準の仕組みです。試験は全60問で、介護支援分野25問と保健医療福祉サービス分野35問に分かれています。合格基準点は分野ごとに、正答率70%を基準として問題の難易度で補正されます。第28回は介護支援分野18点・保健医療福祉サービス分野25点でした。
重要なのは、両方の分野で基準点に届く必要があるという点です。合計点がどれだけ高くても、片方の分野が基準点に届かなければ不合格になります。
ここから導かれる作戦は明確です。不得意分野を捨てて得意分野で稼ぐ、という戦い方がこの試験では使えません。苦手なところこそ、一問一答で拾っておく必要があります。
出典:厚生労働省「介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等」/東京都福祉局「令和7年度(第28回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について」
ちなみに、介護福祉士試験と比べてどちらが難しいのか気になる方は、両方受けた実感をこちらに書いています。
▶ 介護福祉士とケアマネ、どっちが難しい?両方やった僕の答えは「試験は同じくらい、仕事は別物」
受かる人と落ちる人の差はどこにあるか
最後に、身も蓋もない話をひとつ。この試験、運の要素もあります。合格率が1年で6ポイント動くということは、当たり年と外れ年があるということです。だから、落ちた経験がある方も、それだけで向いていないと結論を出す必要はありません。
そのうえで、自分で動かせる差は2つあると思っています。
1つ目は、自分の暗記力の見積もりに合わせて勉強時間を調整することです。覚えるのが得意な人と苦手な人で、同じ半年・同じ1日1〜2時間が適量とは限りません。過去問の1周目で「思ったより頭に入らない」と感じたら、期間を延ばすか、1日の時間を増やす。この調整を早い段階でやった人が受かっている印象です。
2つ目は、不得意分野を捨てないことです。前の章で書いたとおり、合格基準は2分野それぞれにあります。得意分野をどれだけ伸ばしても、苦手分野の穴は埋まりません。苦手こそ一問一答で回数を稼ぐ。地味ですが、この試験の仕組み上、ここから逃げられません。
まとめ|絞って、繰り返す。
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 教材は過去問集と一問一答の2冊だけ。増やすより繰り返す
- まず1周して現在地を知る。できなくて当たり前
- まとまった時間は過去問、すきま時間は一問一答(約5周)
- 開始は半年前・1日1〜2時間でも届く。残り1ヶ月なら1日3〜5時間で勝負
- 直前に新しい教材を買わない
- 合格率の乱高下は気にしない。合格基準が2分野それぞれにあることだけ意識する
- 不得意分野を捨てない。苦手こそ一問一答で拾う
特別な才能も、長時間の勉強もいりませんでした。絞って、繰り返す。試験勉強はそれだけで足ります。
これから受験資格を揃える段階の方や、合格後の流れまで全体像を知りたい方は、こちらの記事からどうぞ。